摂食障害の生徒を持つ学校の対応は?

摂食障害の生徒を持つ学校の対応は?

学校で摂食障害の治療をサポート

摂食障害で悩んでいる女性は5人中1人とも言われている病気です。なかでも若い女性の発症率が高く、10代でもかなりの数が発症しているとか。家庭内でのサポートはもちろん必要ですが、患者が学生の場合、学校側でも摂食障害に対する対処が求められます。このデリケートな問題に対して学校側はどう対応したら良いのか。生徒の接し方に困っている先生や部活のコーチなどに向けて、摂食障害の生徒とどう付き合っていけば良いのかをまとめて紹介させていただきます。

摂食障害とは

摂食障害とは大きく分けて過食症と拒食症の2つに分かれます。過食症はその名の通り通常では考えられない量の食べ物を1回で摂取してしまう衝動に駆られる症状。拒食症は逆に食べ物を拒否すると言う症状があります。ひとえにこの分類がされていますが、実際には過食症から拒食症へ転換したり、拒食症から過食症へ転換するといったことも起こる複雑な病気です。基本的にはきれいになりたいと言う願望が根底にあり、自分が病気であると言う自覚がほとんどないため、治療が難しいと考えられています。

摂食障害の子供が過ごす学校生活とは

これは中学校卒業後、地元を離れて、遠くの高校へ入学した少女の記録です。

はじめての学校や友達、さらには慣れない寮生活がスタート。少女を取り巻く環境は一変しました。そんなストレスを抱えながらも少女は勉強に励みましたが、高校の授業は中学校と違い、スピードがとても早く、次第についていくことができなくなりました。どんどん周りに置いていかれる不安から、いつの間にか少女は自信をなくしていきます。

気づけば、学校に行く気がどうしても起きない日が続き、不登校に。全てのことがどうでもよくなってしまい、投げやりで無気力な状態に陥りました。その頃から摂食障害の1つである「過食」の症状が出始めたといいます。

食べたいという衝動が抑えきれず、どうしても食べ過ぎてしまい、太ってしまう。太った罪悪感からかいつしか下剤を飲むように。下剤を使えば全てリセットされた気がして、また過食をする。そしてまた下剤を飲む。そんな不健康な日々を繰り返していきました。親にも友達にも相談できず、なぜこんなに食べ過ぎてしまうのか、下剤を飲んでしまうのかもわからないまま、身も心もボロボロになりながら、ひたすら苦しんだといいます。そして少女は一人で病院へ行き、そこで初めて、自分がうつ病と摂食障害という病気だと知るのでした。

過度のストレス、自信のなさ、誰にも相談できない環境、様々な要因が重なって摂食障害は引き起こされ、さらには重篤化していくのです。

学校側で行える対処

学校側で行える対処としては摂食障害であることに気づいてあげる。また、医療機関や家族との協力体制を作る。と言う点が重要です。

気づいてあげる

まずはその生徒が摂食障害の疑いがあると言うことに気づいてあげることが大切です。
摂食障害はほっといておくと命にもかかわる重大な病気。特に拒食症の死亡率は高く、放っておくと栄養失調や内臓機能の低下により後遺症が残ることも考えられます。そうならないように、まず摂食障害の疑いがある生徒とよく話をしましょう。家庭での立ち位置や将来をどう考えているか、食生活だけでなくプライベートについても伺ってみる。摂食障害を抱えている人は、基本的に干渉されることを嫌う傾向があるため、拒食症の行動について「ダメだ」「やめなさい」と命令的な話をすると、反抗心が生まれてしまいます。話を聞いてあげる姿勢で、指摘はあまり強くしないようにしましょう。

摂食障害と気付けるポイントは3つあります。

■急激な見た目の減量■
不自然に細くなっている場合は拒食症が疑われます。ご飯を抜いていたり、過度な運動を行っている可能性があります。

■ムリなスケジュールを立てて実行する■
摂食障害の人には完璧主義で真面目な性格の子が多く、自分で立てた目標に対して切実に進むことができるため、無理なスケジュールを実行に移していきます。

■食事の時間を友達ととらない■
人といる時にご飯を食べないでいると「なんで食べないの?」と質問を受けることは明白です。質問を受けた時にダイエットのため、と答えるのは10代の多感な時期にはなかなかできません。その質問をされたくない、そもそも食べ物を見たくない。という心理が働き、友達と食事をとることをしない子が多いです。

■体育の授業に出られない■
拒食症の子は、食事を取らないまたはごく限られた量食事しかとらないため、体のエネルギーが作られず体力が著しく低下してしまいます。そのため体育の授業をこなす力がなく、見学の状態となりがちです。

医療機関や家族との協力体制を作る

摂食障害を改善するためには、学校側だけのアプローチでは難しいでしょう。着実に改善へ導くためにも医療機関や家族との協力体制をつくっていくことがベストです。
定期的な健康診断や身体測定で体重が増えているか減っているかを見て、養護教諭やスクールカウンセラーと相談します。その後、家庭の事情を見て問題がなさそうであれば、家族で病院受診を相談することをおすすめします。学校側の人間が、本人たちの意思を無視して病院と相談することは難しいもの。そのため本人に理解してもらい、自ら病院への受診を選ぶことが理想と考えられます。

スポーツ指導者

生徒が運動部に入っている場合、そこでも制限が必要となるため、コーチや監督も摂食障害の生徒には配慮が必要です。
スポーツ選手は厳しい体重測定が設けられている可能性もあります。その基準に合格するために食事制限や過度な運動することもままあるもの。 学生の間にそれだけ追い込む事は珍しいと思いますが、競合校やスポーツ指導が徹底された名門校だとないこともありません。しかし、そういった追い込みは摂食障害などの性心疾患病を患う可能性も。 実際、フィギア選手やマラソン選手など体重によって結果が異なるスポーツには摂食障害を抱えている人が大勢います。業界全体で改善を進めていますがまだ浸透していないようです。 摂食障害を患いながらスポーツを続けていると以下のような症状も現れるので、築けるポイントとしてよく注意してみてください。

  • ■集中力の低下
  • ■筋力の低下
  • ■スピードが遅くなる
  • ■肉離れや捻挫、骨折などの増加
  • ■必要以上にトレーニングし、練習量を減らしたり練習しない日を作らない

あまりに症状が進行している場合だと、スポーツ活動を停止することも考えられます。手遅れにならない前に早めの病院の診療を受けることがやはり重要と言えるでしょう。

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