脳が快楽を感じる砂糖依存症

砂糖依存症

ダイエットをしようと思っているのに、どうしても甘いものや糖質を多く含むパンやパスタのようなものが止められない…。

そんな悩みを抱える方は少なくありません。太ってしまう原因は、食生活や運動不足など様々ですが、脳が甘いものや糖質を求める砂糖依存症が、太る原因になっていることも。いけないと思いつつ、食べてしまい、それをなかったことにしようと嘔吐や下剤を使った排出を繰り返せば、それは立派な過食・嘔吐です。

ダイエットを摂食障害の引き金にしないためにも、体が甘いものや糖質を求めてしまう原因とメカニズムを知りましょう。

甘いものに「やみつき」になるメカニズム

人は、美味しいものを食べた時、「もっと食べたい!」という気持ちが働きます。やみつきになる、という言葉でも表現される「食べたい」という欲求とその欲求を満たすために行動する背景には、私たちの身体の中で様々な物質が分泌・作用しています。

血糖値が原因で引き起こされる「やみつき」

お菓子やケーキなどの甘いものや食事を食べると、体は糖質を分解します。そのため、食後は血液中の血糖値が上昇。上昇した血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されます。ところが、インスリンにより血糖値が下がると、体は反対に「低血糖=エネルギー不足」になっていると判断し、脳に血糖値を上げるために『甘いものを食べろ!』と指令を出します。

このように、血糖値の急低下が食欲を生じさせ、甘いものを過剰に食べてしまうようになるのです。

参考:eo健康『甘いものがやめられない!砂糖依存症』(2018年1月31日確認)

http://eonet.jp/health/healthcare/health71.html

β-エンドルフィンが原因で引き起こされる「やみつき」

甘いものを食べた時、身体の中ではβ-エンドルフィンとよばれる神経物質が脳内で分泌され、快感を感じます。β-エンドルフィンは甘いもの以外にも、カロリーの高いポテトチッピスやマヨネーズ、辛いキムチやカレーなどでも分泌されることがわかっています。

ラットを使った実験では、色々な味の溶液をラットに摂取させた結果、砂糖やサッカリンなどを摂取した際にβ-エンドルフィンが最も多く分泌されていることがわかっています。

β-エンドルフィンは別名「脳内モルヒネ」とも呼ばれる物質で、幸せ感をもたらすだけでなく、依存性も生じさせます。ケーキやお菓子などの甘いものがついつい食べたくなるのは、β-エンドルフィンが関係しているのかもしれません。

参考:『おいしさからやみつきに至る脳内プロセス』におい・かおり環境学会誌,38(3),2007

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/38/3/38_3_200/_pdf/-char/ja

ちなみに、赤ちゃんを対象とした研究では、砂糖水を与えられた赤ちゃんは、母親から離れた際にも不安行動が少なくなっていることが報告されています。これは、β-エンドルフィンに抗不安作用があることを示しています。

アメリカのブラスらは,赤ちゃんの包茎手術の際に.哺乳ビンの中に砂糖水を入れて吸わせておくと.水だけを与えた場合に比べて,痛がって泣く回数雨が大幅に減少することを見出した.また,母親から離されたときの子供の不安行動も,砂糖水を与えておくと生じなくなると報告している.

出典:『おいしさからやみつきに至る脳内プロセス』におい・かおり環境学会誌,38(3),2007

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/38/3/38_3_200/_pdf/-char/ja

ドーパミンが原因で引き起こされる「やみつき」

血糖値以外にも、私たちの体が食べ物(甘い物)を欲するメカニズムは幾つかあります。例えば、美味しいものを食べた時、脳内ではドーパミンという物質が分泌されます。

ドーパミンは、「もっと美味しいものが欲しい!」という欲求と深く関係している神経物質です。先程ご紹介したβ-エンドルフィンが美味しいという快感を脳に感じさせると、食べることへの動機付けや期待を引き出すドーパミンが甘いものに対して分泌されるようになります。その結果、接触中枢に情報が流れ、甘いものなどを食べるという行動を人は引き起こすのです。

ドーパミン含有細胞は,報酬が手に入ることを予期して待っている時に大きな活動を示し,ドーパミンを放出するのであるが,報酬が手に入るとその活動は停止するのである.従って,報酬系におけるドーパミンの活動は,より正確には,報酬が手に入る前の期待,予測,手に入れるための行動といった渇望状態に関与するのである.コカインなどの薬物依存のときも同じ経路が関与することが知られている.

出典:『おいしさからやみつきに至る脳内プロセス』におい・かおり環境学会誌,38(3),2007

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/38/3/38_3_200/_pdf/-char/ja

「やみつき」が過度になると砂糖依存症に

このような甘いものを欲する依存状態が過度に進むと、いわゆる砂糖依存症・砂糖依存症という状態に体が陥ってしまいます。

砂糖依存症は、常に甘いものを欲してしまい、甘いものがそばにないとストレスを感じてしまう症状です。砂糖には、ここまでご紹介してきたように、脳に快楽を感じさせ、依存状態を引き起こすパワーがあります。

快楽を得るために砂糖を摂ることが常習化してしまえば、自然と食べ過ぎにより肥満が引き起こされてしまいます。

砂糖依存症は無意識に進んでいるかもしれません!

関西国際大学が行った「やみつき食品」に関する研究では、健康な大学生 122人を対象に、やみつき食品の有無や、やみつきになった経緯を調べています。アンケートに答えた人の中でも、やみつきになった食品が「ある」と回答した人の割合は、半数以上。具体的にはチョコレートやマヨネーズなどの菓子類や調味料・香辛料が大多数を占めていたそうです。

大学生122名を対象に,やみつきになった食品の有無と,その具体的食品およびやみつきになった理由について調べた。その結果,やみつきになった食品があると答えた人は58%,男女間で差はなかった。やみつきとなった具体的な食品については,「チョコレート」や「マヨネーズ」「わさび」の回答数が多かった。食品群別に分類すると,「菓子類」や「調味料および香辛料」が多かった。やみつきになった理由については,「味」という回答が半数を占め,甘味や塩味,辛味があり,油脂やにおいに特徴のあるようなものがやみつきになりやすいことが示唆された。

出典:『やみつき食品に関する研究』関西国際大学 研究紀要,15,2014

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/38/3/38_3_200/_pdf/-char/ja

砂糖依存症により引き起こされる病気

このように、甘いものは病みつきになりやすく、甘いものを欲する砂糖依存症は誰もが陥りやすいもの。砂糖依存症になれば、過度な糖分摂取やカロリー摂取で体重が増えるだけでなく、ビタミンB 群やカルシウムが不足して脳の働きや体の働きにも悪影響を与えます。

例えば、ビタミンB1は疲労回復ビタミンと呼ばれ、脳神経が使うエネルギーを作り出すために重要な働きをする栄養素です。ところが、砂糖を過剰摂取すると体内のビタミンB1が不足。脳神経がエネルギー不足に陥り不安やうつ状態を引き起こしやすくなります。

ストレス解消に…と甘いものを食べていたはずが、甘いものがむしろうつや不安をさらに加速させている可能性もあるのです。

砂糖依存症を予防するには?

では、甘いものの食べ過ぎや肥満を防ぎ、砂糖依存症にならないようにダイエットをするにはどんなことを心がければいいのでしょうか?

ダイエット中は「甘いものは食べてはいけない」という気持ちが働き、より一層甘いものを食べたいという気持ちが増してしまうかもしれません。

次のような対処法で、砂糖を控えるように心がけてみましょう。

おやつはフルーツや芋・栗などを食べる

ダイエット中にも是非実践してもて欲しいのが、おやつに甘いものが食べたくなった際にはドライフルーツや干し芋、甘栗など砂糖を使っていない食べ物に置き換えてみる方法です。

自然な甘みのフルーツや芋・栗などは食べる際によく噛んで食べるよう心がけることも大切です。

「おやつをゼロにするのは厳しい」というかたは、手の届く場所に甘いものを置いておいたり、コンビニについ足を運んでしまう癖を見直して、おやつから置き換えダイエットをスタートしてみましょう。

イライラしたら「睡眠と運動」を心がける

ダイエット中のイライラや、仕事からくるストレスを解消するために甘いものを食べたくなることもあるでしょう。そんな時は、お菓子でごまかすのではなく、ストレッチやウォーキングなどで気分転換をするのがオススメ。また、しっかりと睡眠を摂り、疲れにくい生活習慣を心がけるといいでしょう。

いかがでしたか?ただ痩せるために食事の量を減らしたり過度なカロリー制限をしたりするダイエットは、長い目で見るとリバウンドや様々な病気のリスクをはらみます。また、糖分は依存性のあるものですから、どうしても食べたい気持ちに負けそうになったら、自然の甘みで気持ちを落ち着かせてみましょう。

むやみに食べる量を減らすのではなく、どうして自分の体に「食べたい」という気持ちがわき起こるのか、その原理を知り、ダイエットに関する正しい知識を身につけて、自分の身体が内側から輝ける方法を選択しましょう。正しいダイエットを行えば、拒食症や過食症など摂食障害のリスクも少なくなります。



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