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摂食障害と年齢

年齢層が多様化している摂食障害の実態

低年齢化・高年齢化の両方が進む摂食障害

10代、20代に多いと言われている摂食障害ですが、近年摂食障害の患者の低年齢化や高年齢化が進み、患者の年齢層が拡大傾向にあります。

また、女性だけでなく男性の摂食障害患者も増加しています。下は小学生から、上は出産後の女性まで。年齢層の拡大する摂食障害が抱える問題は、ますます多岐にわたっています。

摂食障害の低年齢化とその問題点

10代後半以降で発症することが多いと言われる摂食障害ですが、最近では小学生でも発症するケースが増えています。10歳未満で摂食障害になってしまえば、その後の成長に暗い影を落とします。

小学生、中高生を対象にした研究では、女子小学生の約4割、中高生の約7割が痩せ体型を好み、理想の体型と比べて自分の体重は太っていると感じていることが報告されています。

大関の研究8)から,小学生(女子)では42.6%,中高生では 67.7%はやせを好んでいる。また理想とするのは低体重であると同時に,本人の現実の体型は実際よりふとり型であると認識しているという結果があり,ボディイメージが障害されていると推察されている。Ohtaharaらによる研究9)でも,41%のものが理想体重を標準体重よりも低く設定していたと結果がでておりまた,矢倉らによる研究10)では,非肥満者39.9%が肥満意識を持っており,そのうち 69.9%は減量を実行していたと報告している。

出典:『思春期女子のボディイメージと摂食障害との関連』Yamanashi Nursing Journal 2(1), 2003

http://opac.lib.yamanashi.ac.jp/opac/repository/1/20958/KJ00004527330.pdf

このように、本来であればよく食べ、よく遊び、成長する時期にある思春期の女子たちが、やせ願望を持っています。それに伴いダイエットをするという風潮は、摂食障害患者の低年齢化を進める一つの要因となっていると言えるでしょう。

また、子どもの摂食障害は、こうしたやせ願望に加えて、親との関係も発症に大きくかわっているという指摘もあります。

摂食障害の高年齢化とその問題点

摂食障害は低年齢化だけでなく、結婚や出産後などの中年〜壮年世代にも広がっています。高年齢化がどの程度進んでいるかは、疫学的な報告がまだまだ少ないことから、実態は明らかになっていません。

国立国際医療研究センター国府台病院に摂食障害で入院した患者さんの平均年齢は、1998年には20最大前半だったのに対し、2008年には30歳代前半と、確実に高年齢化が進んでいるという報告があります。

全体として入院患者の平均年齢は20代(1998年)から30代(2008年)に上昇している。特にANbp(神経性無食欲症むちゃ食い・排出型) では、平均年齢が20代前半であったものが、2008年には33歳以上にまで上昇しており、ANr(神経性無食欲症制限型)とは全く異なっていることがわかる。〜中略〜以上から考えると、ED患者の入院年齢が増加していること、特にANbpでそれが顕著であることが示された

出典:『摂食障害の高齢化—入院患者の検討より—』心身医 54(10), 2014

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/54/10/54_KJ00009544213/_pdf/-char/ja

前述した研究では、高年齢の摂食障害患者の特徴としては発症年齢が高いことに加えて、罹病期間が長かったり、最低BMIが低かったり、アルコール乱用者が多いことも、特徴として挙げられます。

なぜ摂食障害の高年齢化が進んでいるかに関しては、まだはっきりとした研究報告は少ないです。研究者の中には、摂食障害が社会に蔓延化している以外にも、発症年齢が高くなっている可能性を指摘する声もあります。

例えば結婚後に摂食障害を発症する場合、発症のきっかけは「パートナーとの不仲」「子離れ」などが原因として考えられます。

出産後の摂食障害は妊娠中の体重増加を受け、拒食症を発症。さらに出産後の育児ストレスで、症状が悪化するケースもあります。

中年以降であれば、パートナーとの死別や子供の独立などによる、生活環境の変化に伴う孤立感・うつ状態などが摂食障害の原因となっているようです。

男性にも広がる摂食障害とその問題点

もう一つ、近年の摂食障害の傾向で特に注目したいのが、男性患者数の増加です。かつては摂食障害は、女性の病気と考えられることも多かったでしょう。

しかし、最近では男性でも就職活動の失敗や、スポーツのトレーニングを過剰にしてしまう運動依存症などが、摂食障害の引き金となることもあるそうです。

女性特有と考えられていたやせ願望やスタイルへのこだわりが、男性にも広がってきて、男性の摂食障害患者が増えている要因になりつつあります。

男性摂食障害患者の発症モデルを社会学的に検討した沖縄大学の研究では、男性の摂食障害には「ボディ・イメージ型」「食事不安型」「ジェンダ・アイデンティティ型」「環境不適応型」があると提言されています。

例えば、自分の容姿にこだわった結果、摂食障害を発症する例は「ボディイメージ型」と言えるでしょう。

また、常に成功・勝利していなければならない、失敗してはならないなどと言った強迫観念により摂食障害を発症するタイプは、「食事不安型」「環境不適応型」に分類されます。

男性の摂食障害は、メンツやプライド、沽券といった男性特有の思考・価値観や男性らしさが、発症の引き金になっていることが多いのではないでしょうか。

ここでは、摂食障害治療の名医がいるクリニックを紹介しているので、良かったらぜひ参考にしてください。

参照:『摂食障害男性の原因論』沖縄大学人文学部紀要,5, 2004

https://ci.nii.ac.jp/els/contents110004706794.pdf?id=ART0007448972



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