過食嘔吐の再発について

過食が治ったからもう大丈夫と安心したとしても、1、2年あるいは数年後に再び過食嘔吐の症状が出てしまう人は決して少なくありません。

過食嘔吐を繰り返すのは何らかの原因があります。一度治まった症状が再び現れたということは、再び原因があらわれたということ。再発しないためにも、慌てずにゆっくりと治す必要があります。

ここでは、過食嘔吐の原因と改善方法、体験者の声を紹介していきます。

過食嘔吐の原因

摂食障害は心理的な問題が原因で食事をほとんど取らなくなる拒食症と、食べ物を一気に大量に食べてしまう過食症があります。

過食のメカニズム

あまり食べないように食事を制限しすぎていると、体が低血糖の状態になってしまいます。低血糖とは、インスリンが大量に分泌される、またはインスリンの効きが良すぎて血糖値が激しく上下する、または低い状態にとどまってしまうこと。よく耳にする糖尿病とは正反対の症状が出る病気ですが、どちらも血糖値のコントロールが上手くいかなくなってしまう病気です。

低血糖になると内分泌系や自律神経系が乱れてしまうので、精神的・身体的に不快な症状が現れます。例えば、疲れやすい、やるきが起きない、イライラするなど。これらを解消するために無性に食べたくなり過食行動につながってしまうのです。

過食症状がある人は低血糖の状態になったことが原因で過食してしまい、罪悪感や体重の増加を気にして過食してしまった分を嘔吐することによってリセットします。そして、また食べるのを我慢しすぎて低血糖になり過食してしまうという悪循環に。

どうして再発するのか

せっかく過食や過食嘔吐を止められたのに、しばらくしたらまた繰り返してしまったという人は、どうして再発してしまったのでしょうか。

人によって再発するタイミングや原因はさまざまですが、きっかけは「再び大きなストレスを受けた」という人が多いようです。

大きなストレスというと大げさに思えるかもしれませんが、先のことは誰にも分かりません。家庭事情が悪化する、転職や就職など環境の変化、女性であれば妊娠による体型の変化などもあるでしょう。このような変化によりストレスを受けることは誰にでもありえることです。

すなわち、過食嘔吐が再発するきっかけは誰にでも訪れるということですが、心配はいりません。不安になるようなことでも、捉え方を変えればポジティブに受け取ることが可能です。

前向きな捉え方をしていけば再発防止にもなり、自分自身が生きやすくなります。次はその方法を見ていきましょう。

改善方法

では、過食嘔吐の再発を防ぐにはどうすれば良いのか、その改善方法を紹介します。

ストレスと上手に付き合う

学生、社会人を問わず強いストレスを感じる場面はたくさんあります。とはいえ、人は一人で生きていくのは難しいので、ストレスを全く感じない生活を送ることは不可能です。大きなストレスを受けて過食嘔吐が再発してしまうのならば、そのストレスと上手く接することで再発を防ぐことができると言えるでしょう。その方法の1つが受けたストレスの認識の仕方を変えてみることです。

例えば、第三者から何か言われた時に、「なんであんなことを言われるのだろう。もう嫌だ。耐えられない」とネガティブになるのではなく、「思わずあんなことを言ってしまうくらい、あの人はイライラしていたのかもしれない」と全部自分が悪いわけではない、相手にも何らかの事情があったのかもしれないとポジティブに考えてみましょう。慣れないうちは難しいと思いますが、意識的に実践していくと思考がトレーニングされて自然にできるようになり、ストレスが軽減されます。

美に対する認識の優先順位を改める

過食症に陥った人のそもそもの原因はダイエットがきっかけになっていることが多いもの。痩せたい、キレイになりたいという思いがストレスになって過食に繋がってしまいます。

過食した分を嘔吐して痩せるというのは健康的ではありません。過食嘔吐によって食道炎や酸蝕症(歯が溶ける)など、併発する病気がたくさんあります。

理想の体型になることを最優先にするのではなく、健康でいることを最優先にして自分の身体を大切にしてあげてください。

ストレスを溜めないために、自分が好きなことをする時間、趣味の時間を作る。過食しないように、家や自分の部屋に食べ物をたくさん置かない、朝昼夕の3回の食事で必要な栄養をきちんと摂る。空腹だから何か食べたいとき間食する代わりに、飴やガムを食べる、水をたくさん摂ると空腹感が和らぎます。自分ができそうなものを無理しない程度に試してみてはいかがでしょうか。

クリニック・病院に通って治療する

過食嘔吐が再発してしまった本人や家族が、クリニックや病院に通って治療した方が良いと感じたら行くべきです。

以前、摂食障害を治すために通院していた病院・クリニックに通うのであれば特に問題はないでしょう。もし、諸事情で新しく通う場所を探したいなら、当サイトでおすすめのクリニックと病院を紹介しているので参考にしてみてください。

セミナーに参加してみる

摂食障害に関するセミナーは全国各地で開かれています。摂食障害を抱えている人やその家族、友人、先生などさまざまな人が集まるところもあるでしょう。

セミナーに参加することで、これまで持っていた意識を変えることや、新しい考え方に出会えることもあります。

自分と同じ悩みや境遇の人たちの話を聴けるチャンスなので、気になる方は参加してみてはいかがでしょうか?

みんなの声

完治とは言い切れないけど

治ったと思っていたのに、たまに過食嘔吐をする。いつになったら完治するのだろう?本当に食べ物を気にしなくなる日が来るのだろうか?

確かに症状は前よりは良くなったし、過食嘔吐も毎日はしていない。

前までは吐くのが目的でたくさん食べ続けて吐いていたけど、今はやけ食いして食べ過ぎた時に胃が吃驚して吐いているような感じ。

でも、やけ食いするということは、心のどこかでモヤモヤしていて、その寂しさを食べ物で誤魔化していること。

体重は普通に戻りつつあるのかもしれないけど、自分の痩せたいという願望からはまだ抜け出せないし、完治とは言い切れないこの摂食障害という病気の付き合い方に悩んでしまう。

自分自身を責めないで許してあげて欲しい

過食嘔吐をするようになったきっかけは人それぞれです。

共通するのは心にひびが入ってしまい、それを修復するため、何とか誤魔化して見えないふりをするために選んだ手段が過食嘔吐だったということ。

「なんで過食嘔吐なんて始めてしまったのだろう…」とものすごく自己嫌悪に苛まれた時期もありました。

しかし、当時の自分にとって、過食嘔吐という手段がたった一つの心を守る術だったのだと、自分を許せるようになって、瞬く間に心が軽くなりました。

いつか過食嘔吐が精神的・身体的にも自分の負担になった時、自分を責めたり後悔しないで、過食嘔吐をするようになった原因を考えてみて欲しい。考えるのもつらいことだと思うし、もしかしたら家族や友人、医者やカウンセラーなどの専門家の力が必要になるかもしれません。

過食嘔吐してしまう自分を許せるようになれば、ふとしたきっかけが治癒につながると思います。



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