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自覚なく食べてしまう、睡眠関連摂食障害とは?

食べることができない、拒食症とは?

睡眠関連摂食障害とは夢遊病の一種です。

寝ている間に体が勝手に起きて、食事をしてしまうという現象の事を言います。信じられないかもしれませんが、ほとんどの場合自覚症状がなく、食べたことを覚えていません。
何故、睡眠関連摂食障害が起こってしまうのでしょうか?
こちらでは、「睡眠関連摂食障害」についての症状、特徴のある行動、おもな治療法をご紹介します。

睡眠関連摂食障害とは?

睡眠関連摂食障害とは?

睡眠関連摂食障害とは眠っているときに無意識のうちに動き出し、何かを食べてしまうという病気のことをいいます。脂肪分や糖分がたっぷりと含まれている高カロリーなものを食べる人もいれば、冷蔵庫にあるものを使って料理をする人、普段なら絶対に食べないアレルギーの食べ物をコンビニまで行き購入して口にしてしまった人など様々です。もちろんその間の記憶はすべてありません。そのため、病院にくる人は、家族に「夜中に寝ぼけた感じでご飯を食べてたよ」と言われたり、朝起きて身に覚えのないお菓子の空袋があったりと、自分で違和感を覚えたことをきっかけの人が多いようです。

睡眠関連摂食障害が酷い人のケースだとタバコやペットフード、化粧品といった普段なら食べられないと判断が付くものでさえ食べてしまったり、火をつけて調理をして火事になるケースもあるので注意が必要です。

また、夜中に過食をしてしまうことで知らないうちに体重が増えたり、食べれないものも食べてしまうので胃腸の障害を引き起こしてしまう可能性も考えられます。特に抗不安薬や安眠薬などを服用している若い女性に起こりやすいのが特徴のようです。

原因

睡眠関連摂食障害の原因は2018年現在では充分に解明されていないのが現状です。しかし、深い睡眠から食行動が始まり、目が覚めるまでに至らないままに食事を続けてしまうことから、一種の覚醒障害によって神経が上手く機能していないことだけは分かっています。研修者の間では「判断をする力のある前頭葉は眠った状態だけど、運動や視覚を司る前頭葉は覚醒状態ではないか」「脳がまだら状に覚醒(睡眠)している」など、色々な意見が飛び交っている状態です。

また、睡眠関連摂食障害を発症している人は話をかけてもなかなか目を覚まさないことが多く、初めて見た周りの人はビックリするかもしれません。

睡眠関連摂食障害と夜間摂食症候群

睡眠関連摂食障害と似ているのが「夜間摂食症候群」。名前も似ていることから多くの人が同じ病気なのではないかと思われがちですが、全くと言っていいほど異なる病気です。ここでは「睡眠関連摂食障害」と「夜間摂食症候群」の違いについて説明していきます。

睡眠関連摂食障害

睡眠関連摂食障害の大きなポイントは「目が覚めていない」「眠り続けたまま食べている」点。発症している人は無自覚のままにやっているので次の日に身に覚えのないお菓子の袋やご飯の形跡に驚くことが多いようです。しかし、無意識に行なっている行動のため病院で診察したときにはすでに数ヶ月経過していることもあります。

また、睡眠関連摂食障害が発症してしまう原因は2018年段階では明確にされてはいません。治療方法の開発が求められているのが現状です。

夜間摂食障害

夜間摂食障害とはStunkard らによって1955年に報告された病気の1つ。は「日中のカロリー総量の50%以上を夕食後に摂取すること、中途覚醒時に摂食すること、朝の食欲低下を特徴とする」と定義されています。大きな特徴は「意識がある」点。意識があるうえで就寝前や夜間に起きたときに「なにか食べたい」「我慢できずに食べてしまう」というのが特徴で、あまり睡眠関連摂食障害の症状と近しいと言えません。

夜間摂食障害を引き起こしてしまう大きな原因は、生活リズム崩れやストレスが挙げられます。炭水化物や甘いものを食べると落ち着くと言われていますが、しっかりとしたエビテンスを取ることができていないのが現状です。

睡眠関連摂食障害も夜間摂食障害のどちらの治療方法も現在の医療では

  • 専門知識をもっている医師に相談する
  • 朝ごはんを食べて摂食リズムを整える
  • ストレスは食べる以外の方法でストレス解消を図る

以上の3点が挙げられています。治療期間を短縮したいのなら、早めに医師に相談することがベストだといえるでしょう。

睡眠関連摂食障害の行動

「これって睡眠関連摂食障害?」と不安になる人もいるでしょう。睡眠関連摂食障害とは、どのような行動をとるのか解説いたします。

無意識に食事を摂る

睡眠関連摂食障害の主な行動としては、ご自身が睡眠している間に身体が勝手に食事や飲水を摂取することが挙げられます。この行動は無意識のうちに行われているので、摂食障害を発症している人自身は、気付かないことが多いそうです。

摂取する内容は、高カロリーの炭水化物や脂質を摂取することが多いようです。そのため、普段食べないような食事を摂ることも考えられますし、アレルギーを持っている人でも関係なく食べ物を摂取してしまうので、アレルギー反応を引き起こしてしまうことがあります。中には食用ではない「タバコ・卵の殻」などを摂取するなど、考えられない食行動パターンを示すこともあります。

無意識で調理

睡眠関連摂食障害の行動の中でも、食べ物を摂取するため、普段調理するように包丁やまな板、コンロなどを使用して料理を作り出す人がいます。しかし、意識がはっきりしているわけではなく、意識がない状態で調理をするので、非常に危険な行動です。こういった意識障害下での調理時に負傷してしまう・火災を引き起こしてしまうケースも考えられます。

睡眠関連摂食障害の症状

睡眠関連摂食障害は、自分で気づかないうちに摂取しているため、症状に気づくまでに病状が悪化してしまう可能性があります。主な症状としては以下をご覧ください。

体重の増加

無意識のうちに「食物を摂取」しているので、気づかないうちにどんどん体重が増加していることが症状の一つです。ダイエット中などの若い年代に多く見られるようです。

睡眠障害

就寝している時間に起きて食べ物を摂取するわけですから、睡眠が中断されます。それが毎日のように続いてしまうと、身体がストレスを感じることでさまざまな睡眠障害を引き起こしてしまう可能性が考えられます。

食欲不振

夜間に多量摂取してしまうので、朝起きたときに「食欲がない」「食べたくない」という症状を引き起こしてしまうことが考えられます。毎日のように食欲不振になる人は、一度病院へ行きましょう。

腹部膨張感を感じる

腹部が膨張していると感じるのも、夜間に多量摂取しているからです。自分では食べていない状態(それすらも分からない状態)でも、身体は摂取しているので、「朝起きると、なんだかお腹が張っているな~」「満腹な感じがする」などと感じた場合は注意が必要です。

参考文献:東京医科大学睡眠学講座/精神医学講座 所属・井上雄一「睡眠関連食行動障害」

睡眠関連摂食障害の治療法

睡眠関連摂食障害の治療には、まず夢遊病を治す必要があります。

夢遊病とは、睡眠時遊行症という名称で、寝ている間に無意識で行動をおこしてしまう症状です。就寝してから1時間~3時間の間に起こりやすいと言われており、原因は分かっていません。

夢遊病には、一過性のものと慢性的なものがあり、どちらも薬(抗うつ薬・抗てんかん薬など)を投与する治療方法が主です。

しかし薬には、どうしても副作用がありますから一番の治療法はストレスを解消する事とされています。

例えば、寝る前にヒーリング音楽を聞いたり、アロマを焚いてみたり、旅行に行ってみたり、友達と話してみたり。

心配ごとが絶えない時は、カウンセリングを受けるなど、とにかく気持ちを楽にしてあげることが大切です。



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