摂食障害の稀な合併症「窃盗」になりやすい人の特徴とは?

万引き

摂食障害の窃盗行動が出やすいのは1人で物事を抱え込んでしまう人

摂食障害を抱えている方に見られることのある窃盗行動。特徴として「ストレスを発散するべき場所が分からず、1人で抱え込んでしまう人」がよく挙げられています。ここでは摂食障害になりやすい人の特徴を開設しながら、症状や原因、または実際に摂食障害を経験した人が話す窃盗という行動をとるまでの心理と経緯を紹介していきます。

摂食障害の患者が万引きを繰り返す傾向について

摂食障害で稀な合併症状の1つとして挙げられる問題の1つに「窃盗(クレプトマニア)」があります。発症率としてはアメリカ精神医学会診断基準では12~24%の摂食障害の方が窃盗を繰り返し行っていると発表。無理なダイエットやストレッチなどを継続的に行っていると、体が悲鳴を上げていることにも気づけなくなってしまい自然とストレスが蓄積されるのが原因だそうです。人はストレスが溜まると心のなかにぽっかりと穴が開いてしまい、上手くストレス発散をすることでその穴を埋めようとしますが、摂食障害の方はその方法がときに「窃盗」になってしまうのです。

米国精神医学会が発行している「精神障害の診断と統計マニュアル」によれば

  • 実際に使用する・金銭的な目的はなく、窃盗への衝動に抵抗できずに繰り返し行われる
  • 窃盗するときの緊張感と窃盗後の開放感で心が満たされる

心理状態で行動する場合摂食障害の合併症「クレプトマニア」だと診断されるようです。摂食障害の方が行う窃盗は過食するための食べ物が多いのが特徴ですが、ほとんどが過食しては嘔吐するという行動に繋がります。

また、摂食障害の窃盗と聞くと「過食してお金がなくなるからじゃないの?」と思いがちですが全くそういったことはなく、どちらかといえばと窃盗しているときのワクワク感やドキドキ感を求めている人が多いようです。

窃盗を起こしやすい人の特徴

とくに女性がなりやすい

摂食障害である窃盗は男性よりも女性に起きやすいと言われています。その理由は明らかにされていませんが、女性ホルモンの乱れが関係していると言われているようです。さらに女性のなかでも多いのが主婦層。スーパーに行く機会も多いため、窃盗する機会も狙えるといった背景も関係すると言われています。

ストレスが溜まりやすい人

ストレスが溜まりやすい人は免疫力が低下しているため、摂食障害やクレプトマニアになる方が多い傾向にあります。人によってストレスの感じ方は異なるため一概には言えませんが、極力ストレスは発散するようにしましょう。

今回取り上げた項目以外でも、「趣味が無くてストレス発散方法がない人」「頼まれたら断れない我慢しがちな人」「責任感が強く完璧主義の人」「だれに相談していいか分からず1人で悩んでしまっている人」などがクレプトマニアになりやすいと言われています。ちょっとしたきっかけで窃盗をしてしまい、それが快楽になってしまう方もいるので注意しておきたいところです。

摂食障害(クレプトマニア)と通常の万引きの違い

摂食障害(クレプトマニア)の特徴

利益目的ではない

窃盗の理由が「窃盗のときのスリル感が嫌なことを忘れさせてくれる」「辛い思いをから逃れられる」と現実逃避をするための1つの手段になっています。窃盗する物はとくに価値のあるものではなく、多くの物は目に入った食べ物などが多い傾向に。万引きした人を捕まえると、「盗んだ分の代金以上にお金を持っていた」というケースもあります

常習性がある

窃盗を行ったとき一時的な快楽を覚えてしまいますが、時間が経つにつれて罪悪感が湧き出てきます。さらに万引き見つかったときには「自分は辞めたいと思っているのに」と深く反省しますが、窃盗を辞める行為を自分の意志では制御できず繰り返し窃盗を行ってしまうのです。

通常の窃盗の特徴

生きるための窃盗をする

窃盗の理由として最も多いのが「お金が無かったから盗んだ」「生活費が必要だから盗んだ」と自分たちの生死に関係することや利益ための窃盗。ほかにもアルコール依存や薬物依存といった、別の欲求を満たすための窃盗を行う人もいます。そういった人たちは通常の窃盗に分類されます。

一時的な感情で窃盗をする

私生活が上手くいかずストレスが溜まってしまい、上手くストレス発散ができずイライラした感情をぶつけるために一時的な感情で窃盗を行う人もいます。一見、摂食障害のクレプトマニアに近い部分はありますが、「一時的な」というのがポイント。常習性がない通常の窃盗罪として扱われます。

摂食障害での窃盗行為を改善するためには

専門機関で診察してもらう

摂食障害で稀に起きる窃盗は、いまだになぜ起こるのかの原因は判明しておらず症状の認知度が低い傾向があります。そのためお医者さんからも思うような診断結果が貰えないことがあり、「やっぱり自分がおかしいんだ」とかえって本人に負担をかける結果になってしまうのです。このような合併症に悩むほど深刻にならないためにも、症状に気付いたら早めに、障害の専門外来で診察してもらいましょう。

周りの人に助けを求める

どんなに1人で頑張ろうと思っても摂食障害は本人だけの頑張りだけで解決させるのは難しいこと。誰にも知られたくないものですが、自分の状態を周囲に理解してもらってください。それにより様々なサポートを受けられ、解決の近道になります。また、人との繋がりを作ると生活リズムが整い、万引きする隙もできなくなり、必然的に窃盗することもなくなるでしょう。

クレプトマニアの万引きで逮捕された時の弁護方法

摂食障害の合併症といえども、物を盗んでしまう行為は犯罪になってしまいます。万引きでもケースによっては逮捕されてしまうことも十分に考えられるのです。また、捜査機関もまだまだクレプトマニアについて知識がなく、人によっては「何回も万引きする人」とレッテルを貼られて終わってしまいがち。ここでは、摂食障害の合併症により窃盗で逮捕されたときの弁護方法を紹介していきます。

刑罰を与えられても治らない

どんなに小さな金額の万引きでも数回窃盗をしてしまうと逮捕されて、有罪判決をうけ刑罰を受けることになってしまいます。また捜査機関は本人に加害者への反省、再犯防止のために刑罰を与えてきますが、摂食障害は精神的な問題なので刑罰で治すことは難しいといえるでしょう。また、当の本人もきっと「なんで治らないのだろう」と悩み続けてしまいます。そのため、摂食障害の合併症で窃盗していた場合は刑事手続きを早めに終わらせて、治療に専念させることが大切なポイントです。

摂食障害に理解のある弁護士に依頼する

摂食障害での逮捕で恐れることは実刑判決で拘束期間が長引いてしまい、摂食障害や窃盗癖が治らないまま社会に戻され、再び同じ過ちを繰り返してしまうことです。また、摂食障害の窃盗は利益目的ではなく目の前にあるものをパッと取ってしまい計画的な犯行では無いのが特徴。窃盗をやり始めた当初はそこまで思い刑罰が下らないのですが、繰り返していくうちにだんだんと刑罰が重くなっていき、最終的には刑務所行きになってしまいます。そのため、摂食障害やクレプトマニアに理解のある弁護士に依頼をして、早期釈放で治療が必要とすることを弁護してもらうことが理想的。最近では無料で相談に乗ってくれる弁護士事務所も増えたので、まずは相談してみるのも1つの手かもしれません。

なぜ窃盗してしまうの?摂食障害で窃盗してしまった人の過去体験談

ここでは窃盗に及んだ摂食障害の方の経験・体験談を紹介します。理由はそれぞれなので、1人の例として参考程度に留めていただけると幸いです。

摂食障害になるキッカケは親からの暴力

私の両親は教育に熱心で、常に隣で勉強をしていました。小学生の頃から「時間があるのなら勉強しなさい!」という感じで常に厳しく言われていたのをいまでも覚えています。また隣で勉強をしていて、答えを間違おうものなら勉強机に平手を打って大きな音を出してビックリさせられたり、ときには持っていた鉛筆で腕を指されたりと暴力を振るわれることもありました。当時の心と肉体的な傷はいまでも残っています。

高校生になっても続く両親からの制限

高校生になってからは勉強だけではなくて、友だち付き合いや恋愛にまで厳しく制限をかけられました。期待に応えられるように自分なり努力をしてきたつもりだったのですが、大学受験を目の前にしてなかなか成績が上がらなくなってしまったんです…。

ストレス解消で過食に走りました

親からの暴力、自分の能力の無さに凄くストレスが溜まったんです。そこでストレスを解消する方法として私が取った行動が食べては吐く「過食」でした。家族に隠れて家中の食べ物を食べては吐き、考えたらあの頃から摂食障害を起こしていたのかもしれません。家族にも認められない私の唯一の楽しみが食べること。それから吐くと凄くスッキリした気持ちになり、現実逃避できる手段でもあったんです。

お金が底をついてしまった私の行動は…

過食に気付いた家族は私から食べ物を遠ざけるよう、家中の食べ物を隠すようになりました。しかし、当時は貯金があったので自分のお金で食べ物を買うようになったんですが、すぐに貯金が尽きてしまったんです。それでも何かを口に含んで吐かないと気が済まない私は、悪いと理解しつつも万引きをしました。1回上手くいくと、なんだかスリルな気持ちが心を満たしてくれるような気がして、お金を持っていても使うことはなく常に万引きをしていました。

刑務所に入っても無くならない「盗りたい」という気持ち

スーパーで万引きした商品を食べているときに、補導員の人に「お金払ってないよね?」と問われてそのまま警察のお世話になりました。当時は初めての万引きということもあって実刑は免れたのですが、やはりその後も身体が無意識に万引きしてしまい結局、刑務所に入ったんです。しかし服役中に万引きをしたい気持ちがなくなるなんてありませんでした。たまに見れるテレビでスーパーが映ると「あ。これだったら盗れる」という感覚が蘇ってくるんですよ。この時に自分のなかの盗みたいっていう気持ちは簡単に消えないんだと自覚しました。

いつの間にか窃盗が生活の一部になっていたんです

刑務所から出所後は家族とも友だちとも離れた場所の更生保護施設で暮らしました。しかし、自分の知らない人や場所で孤独感が増しただけで、万引きの回数が減ることはありませんでした。そして、私はその後も2度目の刑務所に入ることに。そして再び出所した後も万引き癖は治りませんでした。別に自分が欲しくないと思っていても、目に入ったものは袋に入れて無意識に持ち帰っていました。袋一杯の荷物を見られると施設の人に怪しまれるので、途中でふと我に返り不意にゴミ箱に捨てて帰るんです。ただ「盗み」だけを繰り返す。それが私の決まった1日のルーティンでした。

現在は精神科に通院中です

さすがに警察も施設の方もおかしいと思ったんでしょうね。逮捕されたときに受けた精神鑑定で「摂食障害」「クレプトマニア」と診断されたんです。自分は特に病気だという自覚はなかったので、ビックリとしたと同時に治療を受ければ治るんだという安心感を抱いたのを今でも覚えています。現在は精神病院に通院しながら回復を目指しているところです。



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