過食嘔吐をしていると顔や体がむくむ理由って?

むくみ

顔や脚などがパンパンに…過食嘔吐によって起こるむくみ

「やめなくてはいけない」と感じても、繰り返してしまうことが多い過食嘔吐。過食嘔吐をすることによって様々な症状を引き起こしますが、むくみはそのうちの一つです。中には、二重まぶたが一重になるなどして顔の印象が変わったり、すねを指で押すと指の跡が戻らなくなったりと、かなりひどい状態までむくんでしまう人も。また、通常のむくみと違い、利尿剤等で改善させるのも難しくなってしまいます。過食嘔吐をすることによって、一体どうしてむくみが起こってしまうのでしょうか。原因や、むくんでしまったときの対策などについてまとめました。

むくみが発生する原因

むくみとは、体の組織に水がたまってしまっている状態です。通常では、過剰に食べ物を食べてしまったときや、排泄がうまくいかなかったときなどに起こりやすくなります。多くの場合は一過性のもので、利尿剤などを使用して水分を体外に排出すれば改善されます。

しかし過食嘔吐によるむくみは、通常のものとなりたちが異なります。過食嘔吐などの摂食障害によるむくみは、低アルブミン血症という栄養失調の状態になることにより起こります。摂食障害により体重が急激に減少すると、腎臓の機能が低下してしまい、むくみの原因となるのです。

本来であれば排尿で体外に水分を排出すれば改善されるため、利尿剤を飲んで排尿することが治療になります。しかし過食嘔吐によってそれが習慣になっている場合、利尿剤で排尿することで低カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があります。むくみの原因が過食嘔吐が理由だとはっきりしている場合は、基本的に利尿剤での治療はするべきではないとされています。

むくみ以外の症状

栄養失調

過食嘔吐が習慣になると、体が栄養失調状態になります。

鉄分不足、貧血

髪が急激に抜けたり、口内炎・肌荒れなどを起こしやすくなります。

低カリウム血症

嘔吐をすることにより、カリウムという体に必要な電解質が体外に排出されてしまいます。それにより、低カリウム血症を引き起こすことがあります。

カリウムは心臓を動かすために重要な成分です。カリウムが不足すると、疲労感が強くなったり、動機や不整脈が起こることがあります。症状が重い場合は心不全を起こし、突然死の原因にもなりえます。

月経異常

体重が急激に減少することにより、月経不順や無月経などの月経異常症状を起こすことがあります。月経の再発が難しくなるケースもあり、不妊症の原因になる可能性も有ります。

虫歯、歯周病

習慣的に嘔吐を繰り返している場合、胃から逆流した胃酸によって歯のエナメル質が溶けてしまいます。一度溶けたエナメル質は元に戻ることはありません。摂食障害がある場合、患者の約90%が虫歯や歯周病を患っています。

フェイスラインの腫れ

嘔吐の回数が多くなると、唾液腺という耳下やあご下にある部分が腫れを起こします。過食嘔吐をしている人の特徴に、体が痩せているのに顔はパンパンになっているというケースがあるのは、むくみや腫れが原因です。嘔吐を止めると自然に良くなることが多いですが、症状がひどい場合発熱を伴う炎症や疼痛を起こすことがあります。

吐きダコ

過食嘔吐をする人の多くが、指を喉につっこんで嘔吐感を呼び、胃の中のものを吐き出しています。そのため歯にあたる部分に「吐きダコ」と呼ばれるタコができることがあります。

その他

過食や過食嘔吐を繰り返す自分に対し強いストレスを抱き、精神的に不安定になったり、うつ病の症状を起こしたりすることがあります。万引きなどの反社会的行為や、自傷行為などをおこなってしまうこともあります。

むくみの解消方法

マッサージや血行促進

顔のむくみを取るには、首・鎖骨あたりに溜まったリンパを流す方法を試してみましょう。顔のリンパマッサージの方法は動画などで紹介されているので、セルフケアとしても試しやすい方法です。肌への負担をおさえるため、クリームやオイルなどを使用しましょう。また、顔周りの血行を良くすることもむくみ改善に役立ちます。タオルを濡らしてしぼり、電子レンジで1分ほど加熱して蒸しタオルを作ってみましょう。それを広げて顔にあてると、血行が促進されます。時間があるときは、蒸しタオルと冷やしタオルを交互にあてるとより効果的です。

・食べ物による改善

むくみ解消に効果のある食べ物を摂取してみましょう。むくみの改善には、おもに「ビタミン」、「ミネラル」、「カリウム」の摂取が有効です。これらの栄養素を摂りやすい食材も紹介いたします。

ビタミン・ミネラル

  • 果物類
  • 野菜類
  • ナッツ類
  • 海藻類
  • 豆類

カリウム

  • 昆布
  • わかめ
  • ひじき
  • 大豆
  • バナナ

過食嘔吐の回数を減らしていこう

むくみを改善する方法は多々ありますが、過食嘔吐が原因の場合、一番の治療法は「嘔吐をやめること」です。吐きたくなってもこらえて嘔吐をやめるようにすると、一週間程度で多くのむくみが引いて行きます。しかし、過食嘔吐という症状を克服するプロセスのなか、嘔吐感を強く我慢することでかえって逆効果を産んでしまうこともあります。

どうしても吐きたくなったときは無理せずに、嘔吐の回数を徐々に減らすようにしていきましょう。吐いてしまったことで、自分を強く責めたりしないようにしてくださいね。

抑えられない過食衝動は低血糖症の疑いがあるかも?

過食嘔吐を辞めたいけれど、どうしてもやめられないという人がいます。この時考えられるのが低血糖症です。低血糖症とは、インスリン分泌の異常で血糖値が正常値に落ち着かず、脳が栄養が足りないと誤解し「食べる必要がある!」と判断してしまう症状のこと。

脳からの命令なので、この時の過食衝動は強烈なもの。症状にあらがって過食を我慢するなんて、できなくて当たり前です。

この血糖値の異常に気づけず、「我慢できない自分が悪いんだ…」とまた心理的にもダメージを受けてしまう悪循環が生まれてしまいます。

もし、心理療法を受けてもなかなか過食衝動に改善が見られない場合は、一度低血糖症を疑ってみてもよいかもしれません。



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