大学生で摂食障害になってしまった場合
大学生の娘や知り合いが摂食障害になってしまった場合の接し方や対応についてまとめてみました。
大学生で摂食障害になってしまった場合
大学生は生活の自由度が高いため摂食障害が加速しやすい時期
大学生になると親元を離れて一人暮らしを始める人が増えるもの。すると、これまで家族の前だからと気にしていた食生活を自分の好きなようにコントロールできるため、摂食障害の症状が悪化しやすいです。
ここでは、大学生で摂食障害の疑いがある場合に気にするべきポイントや、対応をまとめています。
女性大学生は摂食障害の危険性が高い
「大学生の摂食障害(大学生のメンタルヘルスと心身症)」の論文によると、大学病院心療内科を受診した摂食障害患者のうち、約1/4が大学在学生という調査があります。摂食障害は10代から20代と若い年代で発症することが多いのですが、特に大学生は病院を受診する必要があるほど、症状が進んでいる可能性が高いです。
患者の傾向を見ると、大学進学前から摂食障害の前兆を持っていたり、すでに発症していたりすることが多く、大学へ進学することで、より症状が進んでしまう可能性があると考えられます。大学に進むことで症状が進行する原因としては、親元を離れて一人暮らしを始めることで、いままで家族に遠慮していた食事制限や過食を自由にできる。アルバイトでお金を作れるので、そのぶん過食に対するお金の際限がなくなる。といった要因が考えられるでしょう。
一人暮らしは拒食から過食に転じやすい環境
一人暮らしをはじめたことで、拒食から過食に転じた。という体験談を多く聞きます。恐らく、家族の目があるということが心のブレーキとなってお腹がすいても食べないという拒食が出来ていたのでしょう。しかし、一人になることで誰も見ていない。気にする必要がないため、少しだけなら…と口にした瞬間食べたいという欲求が抑えられなくなります。
けれど、痩せたい。太るのが怖い。という気持ちがなくなったわけではありません。そのため、食べたものを吐き出したり、下剤を服用することで無理やり排出したりしようとしてしまいます。過食嘔吐に転じると、食べて吐き出すという行為が身体に大きな負担をかけるだけでなく、過食のための費用もかかるので、身体的にも金銭的にも大きなダメージです。
ただし、家族関係がストレスで摂食障害の原因となっている場合は、一人暮らしで家族から離れることで摂食障害の症状がおさまったという人もいます。摂食障害の前兆が見られる人で、一人暮らしを考えている場合は、自分がなぜ摂食障害になったのかの原因を考え、決断するのが良いでしょう。
摂食障害のサイン
もし、大学生になった家族や友だち、または自分自身に摂食障害の疑いが見られたら、セルフチェックを試してみてください。病院でも使われている簡単なチェック項目があり、解答することで、摂食障害になっている可能性がわかりやすくなります。
できるだけ早期発見・早期治療を
すべての病気は、早期発見・早期治療がなによりも大切です。それは摂食障害においても変わりません。摂食障害は精神疾患の中でも治療が難しく本格的に発症すると完治するには数十年かかることも珍しくない治療が難しい病気です。
本人も治療したいと考えている時は、摂食障害を専門的に取り扱っている医師がいるクリニックへ相談するのもおすすめです。治療と言ってもさまざまな方法があるので、本人にあっている方法を相談してみましょう。
参考:CiNii 論文 - 大学生の摂食障害(大学生のメンタルヘルスと心身症)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110001122568