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選択的摂食障害とは?

主に幼少の頃の体験をきっかけに、限られた食品しか食べられなくなってしまう、という摂食障害の一種です。

ピザだけ食べ続け十数年!?選択的摂食障害とは?

ピザだけ食べ続け十数年!?選択的摂食障害とは?

幼少の経験から、特定の食品しか食べられなくなる病気です。

幼児体験から、食に対する価値観が極度に偏ってしまう「選択的摂食障害」は、日本においてそれほど認知されていません。ただの偏食や好き嫌いを超えて、限られた食品だけを何十年も食べ続けてしまう病気です。
ここでは、選択的摂食障害の症状や治療法、判断基準について、くわしく説明していきます。

選択的摂食障害とは?

選択的摂食障害は、拒食症の一種。「あるメーカーのインスタント食品しか食べない」、または「決まった調理法でなければ食べられない」など、特定の食品以外食べることができなくなる精神疾患をいいます。

そのほとんどが幼少時代に発症するため、ただの「好き嫌い」と勘違いされることが少なくありません。「これを食べたら病気になってしまうのではないか」という恐怖や不安がつきまとう人もいます。日本ではあまり知られていないことから、理解されづらいのが現状。

摂食障害と思われる受診者のうち、約14パーセントが選択的摂食障害と分析されていますが、その男女比率は4:1。男性の数が女性の4倍も多く、「男性の摂食障害」と呼ばれています。

参考:回避・制限性食物摂取症 - 10. 心の健康問題 - MSDマニュアル家庭版(MSD)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/10-心の健康問題/摂食障害/回避・制限性食物摂取症

選択的摂食障害の行動

特定の食品以外食べない

幼児期に好き嫌いが多くみられるのはよくあることで、成長過程の中で偏食がなくなっていくものです。しかし、選択的摂食障害は、好き嫌いが激しい程度のものではなく、特定のブランドや決まった店の食品しか食べることができません。特定の食品以外のものを食べることを考えただけで、恐怖や不安に襲われて、ひどい場合は発作を起こすことも。
選択的摂食障害の支援団体によると、患者は食品の中でも高脂肪・高炭水化物の食品を選ぶ傾向があるようです。

選択的摂食障害の症状

肥満

選択的摂食障害は、ピザやポテトチップスなどの高脂肪・高炭水化物の食品を好んで食べる傾向が見受けられます。そのため肥満に悩まされる方が多いのが特徴です。

感覚過敏

選択的摂食障害の患者は、食べ物に対するこだわりが強いだけでなく、光過敏・音過敏・臭い過敏など、五感の刺激に反応しやすいことがわかっています。このような感覚過敏は、強迫性障害でもよく見られるケースです。

選択的摂食障害の治療法

拒食症と同様に、選択的摂食障害も食べることを無理に強要しないことが回復への近道です。効果的な2種類の治療法をご紹介します。

オペラント条件付け

アメリカの心理学者バラス・スキナーが研究した心理療法です。例えば、カボチャを食べられない人に、ほんの少しだけカボチャを食べてもらいます。カボチャが食べられたら、好きなものを食べてもらうという形で、食べられるものの種類と量を徐々に増やしていく療法です。

催眠療法

催眠療法は、食品に対して何らかの恐怖や不安、痛みといった感情を抱えている方に向いている治療法です。催眠療法は、潜在意識に働きかけるので、理由のわからない恐怖や不安に効果があります。

選択的摂食障害の判断基準

日本ではあまり研究が進んでいないため、判断基準もまだ明確に提示されていないようです。海外では、日本よりも症例や研究結果が多くあります。ここでは、海外の判断基準の一部をご紹介しましょう。

  1. 1特定の食品を見たとき、激しい不安や恐怖を感じる
    ある限られた食品の味や匂いを感じた時に、精神的動揺を起こさないよう心掛けても、安定した気持ちを保てない場合、選択的摂食障害と判断されます。
  2. 2苦手な食品に対して、前向きな気持ちを維持することができない
    「この食品が食べられるかチャレンジしよう」と思って挑戦しても、その思いを維持することができなければ選択的摂食障害の可能性が高いと、欧米では判断されます。

選択的摂食障害の症例

5歳から揚げたポテトだけの食生活が15年

5歳から20歳まで、フライドポテトしか食べられなかったハンナ・リトル。15年間も重度の選択的摂食障害に苦しんできました。ある食品を食べて気分が悪くなった経験から、ほぼ毎日ポテトチップスのみという非常に偏った食生活を送ることに。しかし、就職先が決まり、他の従業員と共に食事を摂らなければならなくなったハンナは、摂食障害を克服しようと決心します。ある精神分析医のもとを訪ね、催眠療法を受けると、さっそく今まで食べられなかったピザを美味しく感じるように。催眠療法を受けるごとに、美味しく食べられるものがどんどん増えていきました。今では、ボーイフレンドの家族と一緒にディナーを楽しめるようになっています。

チーズとトマトのピザしか怖くて食べられない女性

イギリス出身の33歳の女性クレア・シモンズは、2歳の時からチーズとトマトのピザしか食べたことがありませんでした。彼女は、それ以外のピザを食べることに恐怖を感じ、口に入れると吐いてしまいます。チーズとトマトのピザ以外の食べ物を「いかがですか?」と勧められるだけで、震え上がってしまうほど怖いクレア。身体に良くないことは重々承知なのですが、未だ克服することができずにいます。

13年にわたってインスタントラーメンを食べ続ける生活

18歳の女の子ジョージ・リードマンは、13年間インスタントラーメンだけを食べて生きています。初めてラーメンを食べたのが5歳の時。それ以来、インスタントラーメンの味にハマってしまい、ほぼ毎食食べているそうです。とにかく野菜や果物が大嫌いなジョージ。他人が野菜を食べている姿も見たくないので、友達とも食事に出かけません。インスタントラーメンばかり食べているために、専門家に「カラダ年齢80歳」と診断されてしまいました。

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