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思春期やせ症とは?

思春期の子供たちが、精神的な問題から「痩せるために食べない」という誤った行動を起こす摂食障害です。

間違ったダイエットが招く思春期やせ症とは?

思春期

ストレスや挫折などが原因で引き起こされる病気です

思春期やせ症とは、勉強や部活などで味わう挫折、進路や人間関係などのストレスが原因で発症する病気です。 体重を減らすために、食べないという行動をとることが特徴。痩せることで、体重計の数値の変化や周りからの声に達成感を覚え、さらに減量を図ろうとすることで、さらなる拒食を引き起こすのです。

思春期やせ症とは?

思春期やせ症は、思春期の子供が過度なダイエットや精神的ストレスなどから、食べないという行動を起こすことで発症します。

この病気は圧倒的に女子に多いのが特徴です。以前は初潮を迎えたあとの中学生が主な患者でしたが、最近は初潮前の小学生でも発症が確認されており、患者の低年齢化が大きな問題となっています。

この問題は痩せていることがキレイ、かわいいという社会の歪んだ認知がもたらした結果です。現在では幼稚園生ですら太っていることが悪という社会的イメージから、ダイエットを強要する親までいるほどです。成長期である小中学生が医師の診断なくダイエットを行なうと、心身の成長に大きな影響を与えます。思春期やせ症は過度な食事制限によって栄養不足になり、内臓の障害や骨粗しょう症などを引き起こすことも。関連する内臓障害や不整脈が重症化すると、亡くなってしまうこともある怖い病気です。しかし本人が隠す傾向が強いため、見つけるのは困難。この病気は精神的な要因が強いので、少しでも子供に違和感を感じたら、精神科へ受診するようにしましょう。

参考:
ダイエットの落とし穴……「思春期やせ症」 基礎知識編(ベネッセ)
http://benesse.jp/kyouiku/201301/20130111-1.html
摂食障害(神経性やせ症)(日本小児心身医学会)
http://www.jisinsin.jp/detail/15-iguchi.html

思春期やせ症の行動

体重計の数字を気にする

思春期の女の子なら多少体重を気にするのは普通です。しかし、思春期やせ症の子は痩せることに異常な執着があるので、少しでも体重が増えたり減少傾向が見られないと、食事を控えたり、運動量を増やしたりします。

カロリーに異常な執着を見せる

高カロリーになると太るという認識を持っているので、カロリーに異常な反応を見せ、家での食事もカロリーを計算して摂取カロリーを過剰に減少するように自身で調整。行動が悪化すると、低カロリー商品すら摂取を拒むようになります。

過剰な運動

ダイエットを理由に過剰な運動をしようとするのも思春期やせ症の特徴です。過剰に運動を行なうと、カロリー消費だけでなく脱水症状も引き起こす可能性が高く、非常に危険なので、発見しだい運動を制限する必要があります。

思春期やせ症の症状

異常な体重減少

思春期の子が心に抱えている問題を解決できずに、食べないという行動をとることで極端に痩せてしまいます。ひどいときは標準体重の80%以下と、非常に体重が落ちるように。やせ症を発症している場合は、どんなに痩せても満足しないので、次第に身体のさまざまな部分に不調が現れます。

脈が遅くなる

極端な食事制限を行なった影響で、体が飢餓状態に陥っているため、自律神経に異常をきたし脈が遅くなります。通常安静にしている時の脈拍数の正常値が60~100回/分ですが、痩せ症になると60回未満になります。脈拍数が低下すると貧血や心臓の疾患などを引き起こすこともあるので、注意が必要です。

初潮の遅れ、無月経

体重が減少すると、子宮や卵巣の発育低下を招きます。その結果初潮が遅れるのです。すでに初潮を迎えている女子の場合は、月経周期の乱れや無月経をはじめ、不妊症のリスクも上がります。

低身長

過度な減量をすると、成長に関係するホルモンの分泌に異常が起こり、身長の成長が鈍ります。やせ症の症状が重症化すると、思春期に適切な成長ができず、将来低身長になる可能性が高まるのです。

骨粗しょう症

思春期は、身体のあらゆるところが成長しますが、骨もその1つです。成長が盛んな思春期に過度な拒食と体重減少を起こすと、骨が成長しにくくなります。骨が正常に成長しないと、若いうちから骨粗しょう症や骨折といった骨のトラブルを起こしやすくなるのです。

思春期やせ症の治療法

心の問題が大きな原因となる思春期やせ症の治療法を紹介します。

食生活の改善

体重が減少した子どもは、早期発見で食生活を改善して栄養状態を正常に戻すことが大切です。正常な栄養状態が保てるだけで、精神面と行動面両方の問題が軽減するケースもあります。

運動制限

1~2週間で1kg以上の体重減少がみられる子や、過剰に活動する子の場合は、運動制限が必要です。運動を制限することで消費カロリーを減らし、内臓や脳の活動に回すエネルギーを確保します。

入院治療

標準体重に比べて現在の体重が65%未満の状況になっている場合は、入院治療が必要です。この状態になると、肝機能障害や脱水症状、意識障害などの危機的状態を引き起こすケースがあります。そのため、正常な体重を維持できる最低限のカロリーを摂取するとともに、危機的状態を脱出するための治療が行なわれるのです。

思春期やせ症の判断基準

心の問題を抱えた子が思春期やせ症になると、さまざまな兆候が現れます。小中学生の場合は、以下の項目のうち2つ以上を満たすと思春期やせ症と判断されます。

  1. 1.かたくなな拒食や減食
  2. 2.明確な症状・疾患がないにもかかわらず、体重の減少や増加不良が見られる
  3. 3.以下の中から、2つ以上当てはまるものがある
    • 体重へのこだわり
    • カロリー摂取量へのこだわり
    • スタイルを異常にこだわる
    • 太ることへの恐怖
    • 無理に吐き出そうとする
    • 過度な運動
    • 下剤の使用

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