摂食障害の起こりやすい合併症

摂食障害の起こりやすい合併症

放っておくとあぶない
摂食障害の合併症のあれこれ!

過食症と拒食症はそれぞれ様々な形で合併症を引き起こし、あなたのカラダを蝕んでいきます。
嘔吐による酸蝕症(歯が溶ける)、下剤の乱用などによる浮腫みやミネラルバランスの悪化、栄養不足からくる貧血や無月経、自殺概念や強いうつ症状、脱毛(はげ)、高血圧や糖尿病…いずれも放っておくと甚大な悪影響を及ぼし、一生つきあっていかなくてはならなくなる病気もあります。

過食症の合併症

  • 嘔吐

    過食症の代表的な合併症です。過食したぶんを吐くことでリセットしようするため、過食症に陥った人の多くが過食後に嘔吐をくり返します。
    嘔吐したからといって、過食が「なかったこと」には決してなりません。過食をするときには、炭水化物や甘い食べ物をたくさん食べる場合が多いですが、摂取した糖質は吸収が速いため、血糖値の乱降下を招いてしまいます。
    過食嘔吐を繰り返すことで低血糖症に陥るなど、さらなる合併症を生み出すため大変危険です。

  • 酸蝕症(歯が溶ける)

    嘔吐を繰り返すことによって起こる症状です。食べたものを吐く時、食べ物と一緒に大量の胃酸が逆流します。
    胃酸は非常に強い酸性のため、歯を作っている軟らかいエナメル質を溶かしてしまい、虫歯になりやすくなったり、神経が表面化して激痛が走ったり、最悪の場合は歯がボロボロになって20代で総入れ歯になってしまう人もいます。

  • 吐きだこ、誤飲

    嘔吐を促す時は指を口の奥に突っ込んで無理矢理吐かせようとします。この時に手の甲が歯にぶつかってしまうことが多いため、手の甲に炎症が起きて、そのうち皮膚が硬くなって吐きだこができます。
    また、吐きだこを隠すために、手のかわりに道具を使って嘔吐をする人もいますが、嘔吐の際にあやまって道具を誤飲してしまい、救急車で運ばれる場合もあります。

  • 唾液腺の腫れ

    過食症に多い合併症です。
    過食や嘔吐をすると、食べ物を咀嚼消化しようと唾液がたくさん分泌されます。この唾液の過剰分泌が続くと耳や顎の後ろの耳下腺や顎下腺がむくんで腫れ上がり、悪化するとアゴや首まわりがパンパンに腫れてラインが見えなくなってしまうくらいになることもあります。

  • 自己嫌悪・抑うつ症状

    摂食障害に苦しむ人は、元々まじめで自分に自信のない人が多いため、食べたくても食べられない、食べたくないのに食べてしまう、といったコントロールがきかない自分に激しい自己嫌悪を抱く傾向があります。
    長期化するとウツ状態に陥り、自傷行為や自殺を招くことも少なくありません。逆に、イライラがつのり人間関係が破たんする場合もあります。周囲の摂食障害への理解が非常に大切です。

  • 高血圧、糖尿病

    過食をするときには、どうしても炭水化物が中心のため、血糖値が急激に上がります。そのため血糖値を下げようとインスリンを過剰に分泌し、膵臓に大きく負担をかけ、機能性低血糖症を招きます。機能性低血糖症が長期にわたり続くと、その結果として糖尿病を引き起すことも分かっています。
    思春期の女性でも糖尿病になる可能性は十分にあるため、注意が必要です。

  • 食道炎、食道癌、逆流性食道炎

    過食の後に嘔吐を繰り返すと、胃酸の逆流によって食道を傷つけたり炎症を起こしやすくなります。
    炎症が悪化すると、食道炎を引き起こしたり、最悪の場合は食道癌を発症する危険もあります。また、咳が止まらない、声が枯れる、吐いた後じゃないのに食べたものが逆流してくるような感覚がある場合は、胃液や十二指腸液が食道を逆流しておこる逆流性食道炎の可能性があります。

  • 冷え、むくみ

    過食や嘔吐、食生活の乱れから基礎代謝が低下し、カラダの中に老廃物や水分が滞ってしまったり、ビタミン・ミネラルの不足、塩分の過剰摂取、腎臓や肝臓などの内臓機能の低下などによって、過食症の人は冷えやむくみが起きやすくなります。むくみは一定の時間を置くと収まることが多いですが、冷え性はカラダの免疫力を低下させ、さらなる合併症を招くため注意が必要です。

参考:摂食障害について(摂食障害治療支援センター設置運営事業)
http://www.edportal.jp/sp/about_01.html

参考:酸蝕症の病態と臨床対応(J-STAGE)[PDF]
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/7/2/7_142/_pdf

拒食症の合併症

  • 月経不順、無月経、不妊

    拒食症や過食嘔吐を繰り返す方では、低体重で、体脂肪が18%以下の場合が多く、月経不順や無月経を併発しているケースがほとんどです。カラダに必要な栄養素が不足すると、脳に指令を送る神経伝達物質が正常に機能せず、ホルモンバランスが乱れたり、女性ホルモンの不足によって生理が不順になったり無月経になりやすくなります。
    無月経を放置していると子宮や卵巣の萎縮を招いてしまい、将来の不妊の大きな原因のひとつとなってしまいます。「生理が来なくて楽ちん」などと軽く考えずに、早急な治療が必要です。

  • 嘔吐

    過食症タイプでは嘔吐を繰り返す人は多いですが、拒食症の場合も食事の後に嘔吐をする人は少なくありません。過剰なダイエットから拒食症になる人は、太ることに対して強い恐怖心を抱いているため、食べたものを吐くことで「なかったこと」にしようとします。
    けれど自発的な嘔吐は食道や内臓を傷つけるだけでなく、歯を悪くする、口臭が臭くなるなどの様々な症状を引き起こします。

  • 貧血・低血圧

    拒食症になると体内の鉄分やビタミンB12、葉酸などが不足し、悪性貧血が起こりやすくなります。またカラダは危機感を感じてなるべくエネルギーを使わないようになり、低体温や低血圧を引き起こしたり、ホルモンの分泌を抑えたり、髪の毛が急に抜けてくるなどの様々な悪影響を及ぼします。

  • 便秘、下剤常用、乱用による影響

    拒食症の人は栄養不足の状態が慢性化するため、排泄もとどこおりがちになり、便秘になりやすくなります。また下剤を使って食べたものを出そうとする人も少なくありませんが、下剤を常用すると便意を促す大腸の働きを低下させ、便秘を引き起こします。
    また、下剤によって激しい下痢が続くとカリウム不足になり、便秘がさらに悪化するだけでなく、動悸や不整脈が起きたり、ひどい時には昏睡状態に陥る場合もあります。

  • 免疫力低下

    私たちが健康に生活するために大切な免疫力を司っているのは腸です。そのため、摂食障害によって腸に負担をかけたり、必要な栄養分が不足すると カラダの免疫力が低下し、外から刺激に弱くなってアレルギー性疾患やアトピー、ぜんそく、クローン病など様々な病気を引き起こすことが分かっています。

  • 骨粗しょう症

    拒食症によってカラダに必要な栄養分が不足し、女性ホルモンの分泌が低下すると、骨密度を司る女性ホルモン・エストロゲンが足りなくなって骨がスカスカになり、もろくなって骨折しやすくなったり、背中や腰に痛みを感じたり、ひどい時には寝たきりの原因になってしまいます。

  • 睡眠不足

    カラダを正常に保つための栄養が不足すると、体力や集中力がなくなり、カラダがだるくなったり、熟睡できずに睡眠不足になりがちです。睡眠不足が慢性化すると、さらに体力が落ちて活動が鈍くなり、日常生活に甚大な支障をきたすようになります。中には仕事を辞めざるを得なくなったり、家事育児ができなくなる人もいますので、おろそかにできない問題です。

参考:摂食障害(日本産科婦人科学会)
http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5909-461.pdf

参考:摂食障害(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_eat.html

結論

一人では治療が難しい摂食障害。 家族や周りの人と協力し、クリニックや病院でしっかり治してください。

過食症と拒食症の代表的な合併症をご紹介しましたが、これ以外にも様々な合併症があり、人によってどんな合併症が現れるか分かりません。
また、合併症は1つ1つだけを見ていると大きな問題に感じないかもしれませんが、様々な合併症が複合的に起きたり、1つの合併症がさらなる合併症を招いてしまうということが少なくありません。合併症を放っておくと、最悪の場合は命の危険にさらされることも…。カラダや心のサインを見逃さず、1つ1つの合併症を改善していくことが、摂食障害の完治に欠かせないと言えます。
合併症が発生したら一人では摂食障害を治すには、少し無理があるかもしれません。家族や周りの人に相談し、クリニックや病院でしっかり見てもらって治療を行ってください。



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