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ダイエットが過食症を引き起こすこともあるの?

ダイエットが過食症を引き起こすこともあるの?

極端なダイエットによって過食症を引き起こすことは十分にあり得ます。

ちょっとしたきっかけで始めたダイエットでも、体重が減る快感にはまってしまうと極端な食事制限やハードな運動など、無理のある行動にエスカレートする可能性があります。身体が飢餓状態に耐えられなくなると、反動で過食症を引き起こすことも。いったん過食症になると衝動を抑えられなくなり、簡単には痩せられなくなるという本末転倒な結果になってしまいます。

過食症になりやすいダイエット

ここでは、過食症に陥りやすい危険なダイエットの方法や考え方を紹介します。

  • 極端な食事制限

    自分に変化を起こしたくて最初は気軽な気持ちでダイエットを始めた方が、目標達成への喜びや周囲からの評価アップにより、どんどんダイエットにはまっていくことがあります。そうして極端に食事を制限してしまった結果、体が飢餓状態に耐え切れなくなり、強い食欲が発生してしまうのです。いったん食事を始めると止められず、短時間で異常な量の食べ物を摂取するむちゃ食い状態になることが考えられます。

  • 誤ったカロリー計算

    カロリーの摂取を厳しく制限して無理に脂肪を落とそうとする方がいますが、とても危険な行為です。空腹感とエネルギー不足の状態を意志だけでどうにかしようとするので、失敗に陥ることが多いばかりか過食に走る可能性が考えられます。

  • 過度な運動

    過度な運動は過食症の原因のひとつ。減量のために有酸素運動に頼り過ぎた結果、過食を引き起こすパターンはよくあるそうです。空腹と有酸素運動の関係は複雑なもの。運動量を抑えることで、過食の衝動が減少・消失する場合もあります。

  • 体重が減るのが楽しい

    単純に体重が目に見えて減るのが楽しくてダイエットを続けた結果、過食になってしまう方がいます。最初は好きな人を振り向かせたくてダイエットを始めたのに、気づけば目的が体重を減らすことだけに変わっていることも。痩せることに楽しみを覚え、周りの心配や注意に耳を傾けることが難しくなります。

ダイエットが摂食障害を引き起こす3つの要因

ダイエットが行き過ぎて摂食障害を発症するケースでは、主に次の3つの原因が考えられます。

  • 社会的要因

    社会的要因には、「痩せている=きれい」「痩せている=モテる」などといった、痩せていることをよしとする社会的な風潮があります。

    ダイエットに関する本や情報も多く飛び交い、女性にとってダイエットは大きな関心事になっています。そんな社会的風潮が、過剰にダイエット熱を加熱させ、摂食障害につなげてしまうことがあるのです。

    また、女性が男性と同じように社会進出し働くようになった一方で、依然として家事や育児は女性がするものという風潮が強い現代。女性にかかるストレスもますます増え、摂食障害の引き金となっていることもあるでしょう。

  • 心理的要因

    摂食障害になりやすい人、性格というものがあるのは残念ながら事実です。完璧主義な方、自分に自信が持てない方は、ダイエットにのめり込みやすいもの。「痩せるぞ!」と意気込んでダイエットに取り組み、その結果行き過ぎてしまうこともあるのです。

  • 生物学的要因

    やけ食い、過剰な食事コントロールは、空腹や満腹を感じさせる脳の部位に異常を引き起こします。結果的に、いくら食べても満腹感が感じられなかったり、全く食事をしなくてもお腹が減らなかったりします。

過食症のままでダイエット成功は難しい

摂食障害の中でも過食症の人は、「まだまだ太っているからダイエットしないと!」「太ることが怖い!」という悩みを抱えている人が多いでしょう。

過食症の特徴としては、「このままの見た目じゃ可愛くない!」「もっとキレイにならないと!」、そう思って無理な食事制限を行い、その反動でいわゆる「むちゃ食い」をしてしまい、むちゃ食いをしてしまった罪悪感から、「食べた分を吐けば体重が軽くなる!」など摂食障害のループに陥ってしまうことが挙げられます。そして、過食症のループからなかなか抜け出せず、どんどん体重が増加してしまい、心身ともに疲れ切ってしまいます。 厚生労働省が公表している摂食障害の情報(厚生労働省 摂食障害)によると、ダイエットの目標を達成できないという「自己不全感」、反復してしまうむちゃ食い後の体重の増加に対する「不安感」を抱くことや、ひどい場合には「自傷行為(問題行動)」を行う例もあるようです。

ダイエットを成功させるためには、摂食障害を完治させることが最優先です。摂食障害が完治できれば、心に余裕ができ、「摂食障害のループ」に陥ることがなくなります。そうなることで、初めて自分の身体と向き合い、無理のない食事管理や健康的に体重を減らしていくことが可能になります。

ダイエット成功には、習慣化した過食嘔吐も治療しよう

過食嘔吐を繰り返してしまうと、「ダイエットを成功させたいけど、食べるのが怖い・太りたくない」という恐怖心が出てきてしまいます。しかし、ダイエットを成功させるには、正しい食生活が基本になります。まずは食生活を正す=過食嘔吐を治療することから始めましょう。

農林水産省が公表している正しいダイエットの情報(農林水産省「正しいダイエットとは?」)にも、1日3食、夕食は軽めに摂ることをすすめています。

過食嘔吐を繰り返している人が治療を進める上で必要なのは、モチベーションを高める工夫です。そのため、ひとりで治療に挑むのではなく、ご家族や友人など信頼できる人と一緒に治療を開始することで、「家族(友人)と一緒だったら安心して治療できる!」と信頼感が生まれやすく、モチベーションを高めることに繋がります。

摂食障害は、治療を適切に行うことで必ず回復しうるものです。治療の方法は摂食障害の度合いによって異なります。ご自身に最適な治療法を見つけるために、クリニックへ行き、「今どんな状態で・どういうことが嫌で・どういう気持ちで」と詳しく相談しましょう。ひとりでクリニックへ行くことに不安に感じるときは、ご家族や友人と一緒に行くと心強くなり安心できます。逆にご家族の人は、「一緒に行くから大丈夫だよ!」とサポートしてあげましょう。

まずは過食症を治すことから

過食症の方がダイエットを成功させたいなら、まずは過食症を治すことから始めましょう。「治る」というのは、通常の食事量で満足することができ、軽い空腹なら我慢できるといった状態のことです。過食衝動がおさまるまではダイエットを控え、体調を整えてからスリムを目指しましょう。ダイエットを止めても過食衝動がおさまらない場合は、他に原因がある可能性も考えられます。摂食障害の原因についてまとめたページを用意しているので、チェックしてみてください。



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