摂食障害の死亡率はどれくらいなのか?

摂食障害の死亡率

摂食障害の死亡率は、全体で見ると7%と言われています。

摂食障害はさまざまな精神疾患のなかでも、死の危険と深刻に向き合っている病気です。毎年、摂食障害が原因で亡くなる方は少なくありません。
全体で見ると死亡率は7%ですが、「過食嘔吐」の死亡率だけを見ると最も高い18%という数値が出ています。拒食症が10%程度です。
死因は栄養失調にはじまり、多臓器不全、自殺とさまざま。単なる甘えやぜいたく病ではなく、危険な病気であることを知っていただく必要があります。
摂食障害はただ「食べられない」「際限なく食べてしまう」だけではなく、気づかないうちに心や体を傷つけてしまう病気なのです。

拒食症・過食症・過食嘔吐の死亡率は?

  • 拒食症の死亡率はおよそ10%

    拒食症の方の死亡率は10%ほどで、10人に1人が死亡している計算になります。栄養失調による身体的ダメージが大きいのにもかかわらず、「太らされるのが嫌だ」という理由で受診を拒否する方が多いのが特徴です。そのため、治療が困難になることも少なくありません。拒食症から過食症に移行してしまう方も多いため、早期治療が重要になります。

  • 過食症の死亡率は0.3%ほど

    過食症は5~10年で50%の方が回復に向かいますが、0.3%の方が死亡すると報告されています。過食症の場合、病院に行かなかったり、行っても通院をやめてしまったりする可能性が高く、きちんと統計を出すともう少し高くなると予想されています。

  • 過食嘔吐の死亡率が最も高い18%

    過食嘔吐の死亡率は摂食障害の中では最も高く、18%に及ぶとされています。過食嘔吐の方は体に必要な栄養素を確保できていないため、体重は減る一方で、体は栄養失調状態です。そのうえ、体の正常な働きに逆らって「吐く」という行為を続けると、体はかなりの負担を抱えています。
    死因は身体的な要因も多いですが、気分が落ち込む・憂うつになるなどの精神的な抑うつ症状も見られるため、自殺も少なくはないのです。

摂食障害から死に至るのはなぜ?

拒食症の方の死因で多いのが栄養失調です。栄養失調により貧血や脳萎縮、肝機能障害など様々な症状を引き起こし、悪化した結果死に至ることがあります。治療を開始しようとして高カロリーなものを摂取した場合、体がびっくりしてしまい、多臓器不全を起こすことも。低体重に慣らされている体にある日突然高カロリーなものが入ってくるため、代謝を促す物質であるリンが細胞内から枯渇してしまいます。リンが無くなった細胞が壊れていき、多臓器不全に至るのです。
一方、過食症の死因で多いのは栄養失調と身体合併症の2つ。突然死や自殺も事例も見受けられます。下剤の大量服用や嘔吐といった浄化行為による身体的な弊害や、浄化行為をした後の罪悪感による抑うつ症状などが原因です。
過食嘔吐のやり過ぎで必要な栄養素が確保できない場合は体重が減り続け、拒食症と同じく栄養失調に伴う症状が同時にあらわれます。
また、摂食障害は自殺によって死亡してしまう場合もあります。精神疾患の中では統合失調症・うつ病・双極性障害(躁うつ病)・物質依存の次に自殺での死亡率が高く、自殺による死亡にも注意が必要です。

摂食障害は危険な病であることを知る

摂食障害は甘えだとか、ぜいたく病などと言われることがあります。拒食症だと痩せすぎて気持ち悪いとからかわれ、過食嘔吐になると食べ物を粗末にするなといった批判の声を浴びせられることも。「気の持ちよう」「意志があればやめられる」などと思っている方がいますが、摂食障害は精神力だけで回復できるような単なる病気ではありません。
摂食障害と真剣に向き合っている方を追いつめないためにも、周囲の助力や病院の助けは必要不可欠。1人ひとりの症状や度合いが異なるので、それぞれに合った治療法でケアすることが大切です。
摂食障害は「本人の努力だけではどうにもならない」と理解しておきましょう。



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