摂食障害治療・病院 TOP > 正しく知って治そう!摂食障害の基礎知識 > 摂食障害と生殖機能について【摂食障害と妊娠の関係】

摂食障害での妊娠のリスク

妊娠

摂食障害がある女性に知っておいてほしいこと

摂食障害を患っている女性のなかには、将来的に子どもを持つことを望んでいる人も多くいるかと思います。また、摂食障害を持ちながら妊娠中の人、妊娠中に摂食障害になってしまった人もいるかもしれませんね。ここでは、摂食障害があることでの妊娠のリスクや、胎児への影響など、摂食障害を持っている女性の妊娠について解説します。

摂食障害の方は妊娠できるかどうか

摂食障害があっても、妊娠の可能性が十分あります。受精可能なタイミングで性行為を持ち、受精卵が着床すれば妊娠成立です。ただしそれは、「排卵が起こっている」という前提がなければ成り立ちません。
例えば摂食障害が成長期に起こった場合、身長が伸びない、初潮が遅れる、子宮や卵巣などの生殖機能の成長が遅れるなどの影響があります。その影響は、将来的な妊娠の可能性に大きく関わってきます。

成長期が過ぎて体が充分に発育したあとの摂食障害であっても、そのリスクは同じです。拒食や過食嘔吐による栄養不足やストレスは、無月経や無排卵など不妊症の原因となる症状を起こすことがあります。排卵が起こらなければ妊娠は成立しないため、妊娠を望む女性にとってはとても深刻な問題となります。また、男性側に摂食障害がある場合も、性欲減退などの理由になってしまうため望ましくありません。
このように、摂食障害がある状態で妊娠を望むには、様々なリスクを乗り越える必要があります。さらに、妊娠が成立してから出産まで継続させることに対して、胎児への影響も考えなければなりません。

赤ちゃんへの影響

妊娠すると、女性の体は出産に向けて様々な変化を遂げていきます。体型の変化もそのうちのひとつです。妊娠期間が経過するごとに、元の体型からは考えられないくらい変化していくことでしょう。摂食障害を持つ女性は、そのことに多大なストレスを抱くことが多いです。そのストレスから、さらに症状が悪化してしまうこともあるでしょう。
そして、妊娠をするとつわりの症状もあらわれます。つわりの多くは安定期と呼ばれる頃にはおさまってきますが、中には出産直前まで続く人もいるというかなり個人差の強いものです。つわりの症状が合わさり、拒食や過食の症状がさらに悪化してしまうということも考えられます。

妊娠中の体重管理

妊娠中は胎児のために適正に体重を管理する必要があります。妊娠中は胎児の体重や胎盤・羊水など赤ちゃんにまつわる物のほか、体の水分量や血液量が増えるため、段階的に体重がプラスされていく状態が正常です。しかし、拒食や過食がある場合、その体重管理がとても難しいものになってきます。
妊娠中は自分で気を付けているつもりでも、体重がかなり増えやすくなります。そのストレスから、摂食障害の症状を加速させてしまうこともあるかもしれません。

拒食や過食嘔吐により栄養が体や胎児に行き渡らない状態の場合、赤ちゃんが低体重で生まれてくることや、37週未満で出産してしまう早産のリスクがとても高くなります。低体重の状態で生まれてくる赤ちゃんは“低血糖“に陥りやすいという傾向にあり、また新生児期の低血糖は脳の発育にダメージを及ぼすこともあるとされています。
拒食や過食嘔吐の影響は、お腹の中で赤ちゃんが充分に育たなかった状態で生まれるリスクだけではありません。そもそも出産まで妊娠を継続できない、という可能性すらあり得ます。とくに過食嘔吐の場合、繰り返す嘔吐でお腹に力を入れたり無理をすることにより、切迫流産や切迫早産の原因となってしまいます。 拒食や過食嘔吐ではなく、嘔吐を伴わない過食も妊娠中のリスクを高める原因の一つです。妊娠中は適正な体重増加を目標としなければなりませんが、過食がある場合は妊娠中の体重増加が大きくなりすぎてしまう傾向にあります。
また、妊娠前から過食症状があり体重が標準よりも大きかった場合、体重の増加を普通の妊婦さんよりも抑えるように指導されることがほとんどです。「これ以上体重を増やしてはいけない」、「太り過ぎてはいけない」というストレスを抱えると、拒食や過食嘔吐などの症状につながってしまうこともあります。

妊娠高血圧症候群のリスク

過食や過食嘔吐による体重の大幅な増加やストレス、体の疲労は、妊娠高血圧症候群を引き起こす原因になります。妊娠高血圧症候群は、妊娠中毒症とも呼ばれる妊娠中特有の病気です。妊娠20週以降に妊婦が高血圧の状態に陥り、産後に解消される現象をいいます。
妊娠高血圧症候群になった場合、早産や胎児が低体重になるリスクが高まります。さらに、「HELLP症候群」という肝臓や腎臓の機能に支障をきたしたり血小板を減少させる症状や、「子癇(しかん)」というけいれん症状など、様々な合併症を起こす危険性があります。母子ともに危険な状態になる可能性もあり、帝王切開での出産を余儀なくされることもあります。



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