摂食障害の名医と出会うには?
摂食障害の治療は医師との相性も大切
摂食障害の治療を始めようと思った時、数ある病院の中から、自分にあった病院や名医を見つけるには、どうしたらいいのでしょうか?
摂食障害は身体だけでなく、心のケアも必要な病気です。摂食障害治療においては、名医とは「患者との相性がいい」医者と言えるでしょう。名医と出会うためにも、知っておきたいポイントをご紹介します。
摂食障害の治療は何科?
摂食障害は、専門医が少ない病気の一つです。摂食障害の診療を行っている診療科は、内科・婦人科・精神科・心療内科などがあります。
「精神科に行くのはちょっと抵抗がある…」と感じる方もいるかもしれません。学生さんで病院に行くこと自体勇気がない場合には、スクールカウンセラーや養護の先生など、まずは身近な大人に相談してみるといいでしょう。
摂食障害の治療には身体の治療と心の治療、両方のアプローチが必要です。摂食障害の場合、低体重や合併症など、身体的な問題を抱えている場合もあります。初診であれば心療内科や内科を選ぶのが無難です。
また、外来通院で治療を進めるなら、心療内科や精神科の医師に、摂食障害の治療経験のある病院や医師を紹介してもらい、主治医を選ぶといいでしょう。
摂食障害の受診先の見つけ方
摂食障害は専門医以外でも、身体症状の治療からスタートして治療を続けていくことも可能です。
もしも今通院している、とりあえず行ってみようかなと思っている病院があるなら、医師から専門医や摂食障害の治療を行っている病院を紹介してもらうといいでしょう。
精神保健福祉センターやソーシャルワーカー、保健所などでも、摂食障害の治療に関する情報が得られます。どうしても見つからない場合には、相談してみてはいかがでしょうか。
摂食障害の治療は患者と医師が一緒に進めるもの
人それぞれ症状や発症のきっかけ、置かれた環境が異なる摂食障害患者の方にとって、治療は決して簡単なものではありません。場合によっては数年がかりで摂食障害の治療は続けられます。
摂食障害が克服できるかどうかは、医師の力によるところもあるかもしれませんが、一番大切なのは「治したい」「克服したい」と患者さん本人が思うこと。
入院治療・外来治療に加えて、考え方のクセや生活リズムを変える、心の問題を解決するなど、患者個人でやらなければならないことも沢山あります。
そのため摂食障害の治療は、医師と患者、場合によっては家族が力を合わせて進めていくものです。長く付き合っていくからこそ、摂食障害の治療の病院や医師探しは大切です。
もちろん人同士ですから、気の合う・合わないはでてきます。しかしながら、医師は時には厳しいことも言いながら、克服までの道のりを支えてくれます。
相性の良さは、治療時に方針をきちんと説明してくれて、あなたが納得・信頼できる医師かどうかを基準に判断してみましょう。
合併症がある場合はその治療も必要に
摂食障害は無月経や骨粗しょう症、循環器機能の低下、内分泌異常など、様々な身体的合併症を生じることがあります。摂食障害の治療と合わせて、こうした治療も並行して取り組んでいきましょう。
摂食障害の治療は通院が基本
重篤な身体症状などで生命の危機がない時以外は、基本的に摂食障害の治療は外来通院が基本です。
体重増加や食生活指導などの目的で入院することもありますが、あくまでもその場合は短期です。改善が見られれば外来治療になります。
「摂食障害は通院でも治せる」そう思えば、少しだけ心が軽くなるのではないでしょうか?
精神科で行われている摂食障害の外来治療は、「行動療法」「対人関係療法」「認知療法」「支持的精神療法」など、様々な精神療法を組み合わせ、行動や認知に働きかけます。
また、精神面でもうつ病やアルコール依存、強迫性障害、不安症などの合併症が見られることがあります。摂食障害の根本治療には薬などの特効薬はありません。「治したい」「自分を変えたい」といった思いが何よりも大切な薬です。
そんな思いにさせてくれるような医師が、患者さんにとっての名医です。摂食障害は、症状が出てから受診するまでの期間が、その後の経過に大きく関わってきます。今までずっと一人で悩んでいたなら、ぜひ勇気を出して病院の扉を叩いてみましょう。
その一歩が、あなたの悩みを解決する最初の治療となることでしょう。
参照:『摂食障害ハンドブック』東京大学医学部附属病院 心療内科