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高校生の子どもが摂食障害になった場合

高校生の子どもが摂食障害になった場合

高校生はお金が自由に使えるので要注意

中学生までは食べない食事制限が多いですが、高校生に上がるとむちゃ食いや排出型(過食嘔吐)へ変化していく人が増えてくるようです。高校生になるとホルモンバランスの変化やアルバイトによってお金を自由に使えるようになることから、過食に移りやすくなると考えられます。

ここでは、高校生で摂食障害の疑いがある場合に気にするべきポイントや、対応をまとめています。

SNSをきっかけに摂食障害を引き起こす高校生も少なくない

高校生は中学生以上におしゃれや見た目を気にする年齢。近年では、SNSを利用する高校生が増えることで、近くの友人や身近な人と自分自身を比べる機会が増え、より一層見た目に対する意識が強まっているとも言われています。

東京大学大学院医学系研究科脳神経医学の「思春期早期におけるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の使用とやせ願望の関連」によると、やせ願望を持っている10代の男女とSNSの関連性を調べた結果、SNSを利用している女子とやせ願望を持っている女子で関連性があることが分かっています。考察によると、やせ願望はそもそも身近な存在との比較によって引き起こされる願望。SNSは全世界へ公開でき、いいねやコメント数によって数値で写真の良さを比較されやすくなっています。つまり「あの子が私よりいいねを押されているのは細くてかわいいから」「私もそうなりたい」「認められたい」という気持ちを引き起こしやすいと言えるでしょう。

また、もともとSNSを利用している人自体がやせ願望を持っている可能性も高いと考察されています。不特定多数の人に認められることで、自己価値を高める傾向があるとSNSは最もぴったりな自己価値を高めるツールとなってしまいます。

多くの学生が高校生からスマホを持つようになります。みんながやっているSNSをやるな!というのは、仲間はずれになる怖さや話題についていけない悲しさから考えると、止めるのは難しいもの。SNSを楽しさを認めつつ、リスクやダイエットしなくても十分に魅力的であることを伝えることが大切でしょう。

アルバイトによって自由にお金を使える点に注意

中学生と高校生で大きく異なるのは、アルバイトが出来るようになる点。中学生の頃よりも自由にお金を使えるようになることから、これまで我慢していた過食行為を我慢せずにできてしまいます。

最初は拒食症で食べずにいても、身体に栄養が入らなければ、脳は強制的に食べろと体に命令を出します。そのため、拒食症から過食症・過食した後に下剤や嘔吐で排出するという辛い行為に陥ってしまうのです。過食したあとにムリヤリ排出する行為は、口は一度食べたことで満足しても身体には食べない以上に鞭を打つ行為。下剤を服用すれば胃や腸が荒れ、嘔吐を繰り返せば食道や歯が胃酸によって傷つけられます。

人によっては、アルバイトが楽しく生きがいとなり、仕事を認められることで見た目を気にしなくても自信を持てるようになった。という声もあるので、アルバイトを始めることを止めるのはおすすめしません。けれどもし、以前は過食していたけれど、アルバイトをして過食をしなくなった。けれど、体調や顔色は以前よりずっと悪い…。と言う場合は、アルバイトのお金を隠れて過食用に使っている可能性は高いと考えられます。その場合は、過食しているから辞めろと頭ごなしに止めるのではなく、「アルバイトを頑張りすぎているから疲れているように見えるよ。少し休んでもいいんじゃないか」と、優しく聞いてみましょう。

摂食障害のサイン

もし、自分の子どもに摂食障害の疑いが見られたら、セルフチェックを試してみてください。病院でも使われている簡単なチェック項目があり、解答することで、摂食障害になっている可能性がわかりやすくなります。

できるだけ早期発見・早期治療を

摂食障害に関わらずすべての病気に言えることですが、早期発見・早期治療がなによりも大切です。摂食障害は精神疾患の中でも治療が難しく本格的に発症すると完治するには数十年かかることも珍しくない病気です。

その大きな理由としては、本人にとってはただのダイエットであり、痩せたいだけなので、治療したいという気持ちを持てないためです。そのため、治療したほうがいいと言われれば言われるほど、「私を病人扱いしないで」「頑張って痩せたいと思っているのにそれを否定しないで」とより反発する気持ちが強くなることも。

もし摂食障害だと分かった場合は、摂食障害の専門外来を設けている病院や、自助グループを検討してみましょう。病院へ行く際は、摂食障害かどうかを知るためよりも、体調が悪そう、顔色が悪いといった本人も自覚症状を持っている症状のためだと伝えると病院への抵抗も薄くなるかもしれません。

本人も治療したいと考えている時は、摂食障害を専門的に取り扱っている医師がいるクリニックへ相談するのもおすすめです。治療と言ってもさまざまな方法があるので、本人にあっている方法を相談してみましょう。

参考:摂食障害について | 摂食障害情報 ポータルサイト(一般の方)
http://www.edportal.jp/sp/about_03.html

参考:平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)[PDF]
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h29/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

参考:思春期早期におけるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の使用とやせ願望の関連[PDF]
http://www.coder.or.jp/hdr/30/HDRVol30.09.pdf

参考:摂食障害の子どものこころと家族ケア[PDF]
http://www.f-comiken.com/panf_01.pdf

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